大学入試分科会(旧 調査部) 平成26年度活動報告

第6回 大学入試分科会研究協議会

日 時  平成26年10月24日(金)16:30~20:30(研究協議18:00~20:30)

場 所  東京都立戸山高等学校

参加者 15名

内容

(1) 津田塾大学

(2) 茨城大学

(3) 群馬大学

(4) 明治大学

(5) 慶應義塾大学

(6) 東京慈恵会医科大学

(7) 電気通信大学

(8) 東京大学

(9) 東海大学

(10) その他

● 津田塾大学:[1]小問集合。三角関数を含む関数の最大最小、無限級数、部分分数分解。[2]平均値の定理、凸関数の性質。[3]回転体の体積、円柱を底面に垂直な平面で切り取った立体。[4]ゲームが終了するまでに4回以上玉を取り出す確率。

● 茨城大学:[1]三角関数のグラフ、接線、法線、最大最小(開区間)。[2]3次関数、実数解の個数、曲線と接線で囲まれた面積。[3]行列のn乗、固有値、整数。

● 群馬大学:[1]命題の真偽、整数、倍数。[2]放物線、面積。[3]円周上を動く点、媒介変数[4]対数関数、面積。[5]4直線上の点を結んだ四角形が正方形となるときの点の座標。[6]放物線と直線の交点。[7]整数、自然数を底とする対数が有理数となり、かつ定められた範囲にある。[8]斜軸回転体の体積、媒介変数、対数。[9]立方体、四面体、体積。[10]絶対値を含む関数の積分。[11]等差数列の和が等差数列となることの証明。

● 明治大学:[1]小問集合。等差数列の和、半角の公式、さいころの目の出方、命題の真偽(頻出)。[2]平面座標、動点に連動した軌跡。[3]空間ベクトル、面積、円錐曲線。[4]媒介変数、三角関数、面積(積和変換公式が与えられている)。

● 慶應義塾大学:医[1]小問集合。カードを選ぶ場合の数、整数係数の2次方程式、指数関数を含む積分の最小値。[2]規則に従って移動する点の確率。[3]軌跡、放物線、接線、法線。[4]三角形に内接する円の列、極限値。

● 東京慈恵会医科大学:[1]小問集合。取り出したカードに記入してある数の確率、1次変換。[2]対数関数と2次関数に囲まれた面積。[3]不等式の表す領域、軌跡、三角関数、2次方程式の解の配置。[4]空間ベクトル、回転体の体積。

● 電気通信大学:[1]指数関数を含む分数関数、変曲点、面積。[2]リサージュ曲線(無理関数)、回転体の体積。[3]数列の極限、漸化式、数学的帰納法。[4]三角行列のn乗、ジョルダン標準形。

● 東京大学:[1]空間ベクトル、三角関数、四角柱。[2]確率漸化式、極限値。[3]判別式、置換積分。[4]不等式の証明、漸化式、極限値、関数の増減。[5]整数、漸化式、剰余、鳩ノ巣原理(部屋割り論法)。[6]線分の通過領域。

● 東海大学:医1日目[1]小問集合、円の方程式、倍角の公式、ベクトルのなす角、点と直線、常用対数。[2]さいころを投げるゲームが終了する確率。[3]平方根を小数点以下第1位で四捨五入した整数の列。
医2日目[1]小問集合、指数・対数の計算、対称式、カテナリー、部分積分、円の方程式、相加・相乗平均。[2]直線に接する4次関数、極値。

● その他:次回は12月5日に戸山高校で行う予定。主な協議内容は研究集録の原稿作成の準備。11月中旬に項目を決めるための検討資料を送付。


第5回 大学入試分科会研究協議会

日 時  平成26年9月26日(金)16:30~20:30(研究協議18:00~20:30)

場 所  東京都立小石川中等教育学校

参加者 14名

内容

(1) 東京農工大学

(2) 横浜市立大学

(3) 上智大学

(4) 東京学芸大学

(5) 一橋大学

(6) 東京医科歯科大学

(7) お茶の水女子大学

(8) 宇都宮大学

(9) 東京都市大学

(10) 順天堂大学

(11) 芝浦工業大学

(12) 工学院大学

(13) その他

● 東京農工大学:[1]4点を通る球、ベクトルのなす角、内積。[2]一次変換、2点を通る直線、円が切り取る線分の長さ、点と直線との距離、整数。[3]平面ベクトル、指数関数と三角関数の導関数、最大最小、数列の極限。[4]定積分関数、絶対値を含む対数関数、解の配置。

● 横浜市立大学:国際総合科学[1]導関数、不定積分、定積分の計算。[2]ファレイ数列、隣接する分数と中間数、行列の計算。

● 上智大学:経済[1]小問集合。常用対数、オペレーションズリサーチ。[2]空間ベクトル、円錐、2変数関数の最大値。[3]モンモール数、完全順列、2012年の東北大学で同様の問題が出題。
理工[1]小問集合。整数、無限等比級数、論証、場合の数。(2)は演習問題に良い。[2]空間ベクトル。影は円錐の断面(円錐曲線)。[3]3次関数の極値、接線、整数。[4]定積分の計算、極限値、定積分関数。

● 東京学芸大学:[1]剰余の定理。[2]平面ベクトル、内分点。Rの軌跡は放物線。[3]接する2つの三角関数。[4]積分値が最大となる関数、関数の平方完成。

● 一橋大学:[1]和(差)が素数となるような素数の組。[2]放物線と接線の間の面積の最小値。[3]単位円周上の点列、円の接線、三角関数の加法定理。[4]球に外接する円錐の表面積の最小値、相加相乗平均。[5]ランダムウォーク、数直線、硬貨、漸化式。

● 東京医科歯科大学:[1]条件を満たす数字の並べ方の総数、漸化式。[2]四面体の体積と切り口の面積の最大値、微分。[3]定積分関数、2階微分、方程式の実数解の個数、中間値の定理、不等式の証明。

● お茶の水女子大学:[1]一次変換、回転行列。[2]絶対値を含む関数、定積分関数、逆関数、微分可能。[3]硬貨投げの結果に応じて作られるn次式が与えられた整式で割り切れる確率、反復試行。[4]2つの放物線の共通接線の本数。

● 宇都宮大学:[1]8人の生徒を3つの部屋に入れる入れ方。[2]群数列、三角数。[3]交点の位置ベクトル、1次独立、内積。[4]不等式で表された領域の面積、積分、3次関数の最大値。[5]関数列、1次変換、数学的帰納法。[6]分数関数、絶対値を含む関数、面積の最小値。

● 東京都市大学:[1]小問集合。対数方程式、媒介変数表示、袋から球を取り出す確率。[2]小問集合。円の方程式、接線の方程式、懸垂線、絶対値を含む関数の定積分の計算。[3]放物線と接線に囲まれた面積。[4]分数関数のグラフ、実数解の個数。

● 順天堂大学:[1]小問集合。逆行列、近似式、3次関数のグラフ、極座標、無限等比級数、回転体、楕円、体積比。[2]軌跡、2次曲線。[3]三角形の内心の定義。平面ベクトル、内積。

● 芝浦工業大学:電子工ほか[1]小問集合。組分け、三角関数を2次関数に帰着、行列のn乗。[2]階差数列、部分分数分解、級数。[3]空間ベクトル、四面体の体積[4]無理関数と円と接線で囲まれた面積。
材料工ほか[1]小問集合。三角関数、式の計算、常用対数。[2]交点の位置ベクトル、面積比、内接円。[3]小問集合。集合の要素の個数、漸化式、放物線(2次曲線)。[4]対数関数、法線、回転体の体積。

● 工学院大学:[1]小問集合。式の値、くじが当たる確率、複素数の計算、空間座標。[2]三角比、正弦定理、余弦定理。[3]数列、漸化式。[4]2つの三角関数のグラフで囲まれた面積。[5]放物線と直線で囲まれた面積、準線。

● その他:次回は10月24日(金)に戸山高校で行う。11月16日(日)に本年度も「科学の甲子園」がある。都数研で採点等の業務に協力する。


第4回 大学入試分科会研究協議会

日 時  平成26年7月25日(金)14:00~17:00

場 所  東京都立広尾高等学校

参加者 11名

内容

(1) 成蹊大学

(2) 横浜国立大学

(3) 東洋大学の基礎科目学習支援室から

(4) その他

● 成蹊大学:理工[1]小問集合。[1]前半は解の配置。後半は解と係数の関係。[2]楕円に内接する正方形と長方形。 [3]媒介変数で表された点Pが動く道のり。道のりの計算方法は問題文中に明記されている。[2]初項から第n項までを用いて第n+1項を導くタイプの漸化式。数列の和と一般項を用いれば二項間漸化式を作れる。(1)で第2項から第4項までを求めさせているので、(1)の結果から一般項を推測させたかったのか。(3)と(4)は部分分数分解。分母が4数の積の部分分数分解は珍しい。[3]整数問題(1)と(2)は(3)の誘導。3変数に対し、1変数を固定して考える。いずれも積の形に変形することで解ける。不等式で、それだけ範囲を限定できるか。[4]三角関数を含む関数の最大最小。対称式を利用して分数関数に帰着させる。

● 横浜国立大学:[1](1)置換積分と部分積分を使う。(2)微分の不等式への応用。[2]ガウス記号を指数に含む級数の和の計算。ガウス記号の中に分数が入っているのを見て諦めてしまった受験生も多かったかもしれない。具体的に書き出せば、どのような数列か分かる。級数の計算は区分求積法を用いるか指数関数の導関数を用いる。[3]空間ベクトル。(1)交点の位置ベクトル。(2)相似条件から成分を決定。(3)平面に下ろした垂線との交点の座標。[4]同心円の外側の円周上の点を結んで作る三角形と内側の円との共有点の個数。線分と円の位置関係をイメージしづらく、難易度が高い。[5](1)放物線上の2点を結ぶ線分の中点の軌跡。(2)曲線で囲まれた部分をx軸まわりに回転させてできる立体の体積。

● 東洋大学の基礎科目学習支援室から:東洋大学では、基礎科目(数学・物理)を中心に学習支援を行っている。高校在学中に習得できなかった内容についてもサポートし、大学の授業に関連付けを行い指導している。学生から受けた不定積分に関する質問の中から何題かをピックアップし、別解を含めて説明があった。

● その他:各学校等における取組や研究会等の紹介があった。例年通り8月は分科会を行わない。次回は9月19日(金)か26日(金)のいずれかに小石川中等教育学校で行う予定。


第3回 大学入試分科会研究協議会

日 時  平成26年6月27日(金)16:30~20:30(研究協議18:00~20:30)

場 所  東京都立小石川中等教育学校

参加者 14名

内容

(1) 早稲田大学

(2) 東北大学

(3) 首都大学東京

(4) 東京理科大学

(5) 横浜国立大学

(6) 駒澤大学

(7)学習院大学

(8)6月21日の勉強会

(9) その他

● 早稲田大学:基幹・創造・先進理工[1]複素数の累乗の周期性。ほぼ同様の問題が本年度の駒澤大学で出題されている。複素数は3年連続で出題されている。[2]3次方程式の判別式。[3]立方体の色の塗り分け。[4]指数関数を用いた関数の積分。[5]ポンスレの閉形問題(定理)1988年の名古屋大学で同様の問題が出題されている。

● 東北大学:理[1]2次方程式の解の配置。(1)相加・相乗平均を使いたくなるが、等号を満たすtが定義域外。[2]平行六面体の切り口。[3]袋から取り出した玉に書かれている数の積に関する確率。場合分け。[4]回転と相似拡大の合成変換。[5]三角関数の定積分。漸化式。[6]不等式の証明。相加・相乗平均。(1)の結果を(2)の証明でどう使うか。

● 首都大学東京:理系[1]1の3乗根の性質。[2]回転と相似拡大の合成変換。(1)(2)は、ほぼ明らかであるが証明となるとどこまで書けばよいか。地道に成分計算するのが無難か。[3]指数関数を含む関数。面積。増減。

● 東京理科大学:基礎工[1]三角行列。[2]メネラウスの定理(天秤法)。理[1](3)絶対値を含む三角関数の積分。周期性を利用すると計算を簡略化できる。[2]指数関数を含む関数。接線。面積比。グラフを描くのが難しい。[3]三角関数。無限級数。はさみうち。

● 横浜国立大学:[1]毎年、独立した計算問題が出題されている。難易度は高い。[2]ガウス記号。偶奇。[4]場合分け。

● 駒澤大学:[1]小問集合。(4)複素数の累乗の周期性。ほぼ同様の問題が本年度の早稲田大学で出題されている。(5)黄金比。[2](3)nを求めるだけなら常用対数を使わない方が速い。どこまでの論証を求められているか。[3]球と円柱の体積。(3)は出題範囲外の設問。

● 学習院大学:[1]確率。期待値。余事象。[2]3項間漸化式。

● 6月21日の勉強会:「ハミルトンの四元数」生徒、教員合わせて18名の参加。生徒下校後、ICTの活用に関する研究協議を行った。

● その他:7月4日(金)に青山高校で「高等学校数学に関する授業研究と講演会」研修会(第2回)を開催。来月の分科会は7月25日(金)の予定。


第1回 大学入試分科会研究協議会

日 時  平成26年4月25日(金)16:30~20:30(研究協議18:00~20:30)

場 所  東京都立小石川中等教育学校

参加者 9名

内容

(1) 京都大学

(2) 東京工業大学

(3) 5月24日(土)総会後の研究発表

(4) その他

● 京都大学:理系[1]直線のベクトル方程式と垂直条件、2次関数の最大・最小。[2]ランダムウォーク、確率漸化式、特性方程式。[3]正弦定理を用いて三角形の面積を三角関数で表し、微分する。三角関数のまま解くか、多項式に置き換えて解く。三角関数のまま増減を調べるときはθとcosθの逆進性に注意する。[4]関数方程式・不等式、判別式。定石通りの解法であるが、関数方程式は苦手とする生徒が多い。[5]整数問題、倍数、対称式、交代式、2変数関数の最大・最小。難易度は高い。[6]パラメータを置いて条件から座標を求める。面積の計算は計算量少。三角関数の加法定理、2直線のなす角。

● 東京工業大学: [1](1)整数問題、倍数、連続する整数の積。連続する3整数の積は6の倍数であるから、6の倍数の和を6で割ったら整数になることは明らかであるが、どこまで論証を求められるのか。[2]不等式の証明、微分の応用、指数関数・対数関数。[3]ランダムウォーク、確率漸化式、一次変換。[4]放物線、一次変換、積分。[5]3次関数の積分、接線、面積、級数。

● 5月24日(土)総会後の研究発表: 4つの問題の内、2問程度を解説する。[1]数列の周期性。本年度の東大の問題ということで記憶も新しく、フィボナッチ数列も有名なので題材として適当。[2]ポアンカレ予想。多様体の説明に誤解を招く恐れのある表現がある。多様体には次元を明記する。[3]ガロア理論。最小多項式。拡張ユークリッドの互除法の計算。[4]コラッツ予想。有名な予想が、ほぼそのままセンター試験に出題された。

● その他:研究発表に関しては、今後もメール等で情報交換をして原稿を仕上げる。次回の分科会を5月23日(金)に行い最終確認をする。前日なので大幅な変更はできないが、日程的に一週間前は厳しいので、この日程で行う。