研究部 大学入試分科会(旧 調査部) 令和元年(平成31年)度活動報告

第1回大学入試分科会研究協議会

日時  4月19日(金)16:30~20:30(研究協議18:00~20:30)

場所  東京都立小石川中等教育学校

参加者 12名

内容

(1)京都大学

(2)今後の予定

(3)その他

  • 京都大学:理[1]京都大には珍しい小問集合であった。問1は答えのみなら容易に推測できる。2倍角の公式と3倍角の公式を使うことが予想できるので、とりあえず書き出して、cosθとcos2θ,cos3θとの関係式を作ろうとすると方向性が見えてくる。答えのみで記述不足の答案が多かったのではないか。問2は、教科書レベルであるが、様々な要素が含まれているので、選抜問題としては適している。[2]類似の問題が過去にもあった。素数なので、片方が2なのではないかと予想できる。方針が決まれば個別に計算するだけなので難しくはない。同様に考えた受験生も多かったのではないか。[3]A(0, 1), B(1, 0)として考えると、結論だけはすぐに出る。あとは一般化すれば答案を作ることができる。斜交座標を用いた答案も多かったのではないか。斜交座標は教科書で定義していないので議論となることが多い。鋭角三角形に限定した意図は何か。図を描き易くするためか。鋭角三角形になるように座標を設定しようとすると、むしろ条件は厳しくなる。鋭角三角形に限定されないような座標設定をした答案はどのように採点されたのか。パラメータを用いて点Pの軌跡を考えると放物線になる。[4]書き出してみれば複雑な条件ではない。変数が2つあるので、定石通り片方を固定して考える。計算は等比数列の和しか使っていない。一見、反復試行のように見えるが、そうではない。[5]これも解き易い問題で落とせない。何を変数とするかによって式が変わってくる。予備校3社では置き方は3様であった。難易度は高くないが、短文で京都大らしい問題。[6]常用対数表が付いていた。京都大では2008年度に三角関数表を用いたものがあった。当時は表を使えない受験生がいたようだが、今回はどうか。例えば、「ただし、log102=0.3010として計算せよ」という書き方であれば、そのまま代入して終わりである。対数表の場合は近似値として載せているから、原則として不等式で挟むことになる。どこまで要求されているのか。Webに掲載されている予備校の解答例では、そのまま代入しているものと、不等式で挟んでいるものとがあった。内容自体は、ド・モアブルの定理を使えれば基礎的な問題である。
  • 今後の予定:次回は5月24日(金)に小石川中等で行う予定。昨年度、初めての試みとして研究集録の検討を7月から始めた。本年度も原則として昨年度と同様のスケジュールで行う。
  • 研究集録「ベクトル」:本年度の京都大学で出題された四面体の問題を“アフィン変換”の視点から深く掘り下げる。問題文には「AC=BD, AD=BC」という条件があるが、任意の四面体に対して成り立つ。アフィン変換は面積比・体積比を保存する。アフィン変換を施すと、任意の四面体はすべて正四面体に帰着できる。アフィン変換のこれらの性質を、京都大学の問題を題材に検証する。さらに一般化させ、平行六面体や斜交座標、印刷物のプログラミング言語などに応用した例も紹介する。
  • その他:5月18日(土)に都立武蔵高校で都数研の総会が開催される。5月26日(日)は日数教の大学入試懇談会がある。大学入試分科会から2名程度派遣する予定。